2013年6月24日月曜日

人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機

日本のテレビやラジオでは報道されない現実です。
「星の金貨プロジェクト」というサイトからの引用です。
『ほんとうの「今」を知りたくて、アメリカCNN、NBC、ABC、CBS、英国BBC、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。』
ということで、海外から見た今の日本が分かる内容であります。


真実が隠され、事故収束・除染・廃炉作業は順調に進んでいると、多くの日本人が誤解している
福島の除染作業、専門的知識・技術を持つ企業に限って締め出されてしまった
日本政府は自らのプライドを守るかわりに、国民の命を危険にさらす途を選んだ

アート・ケラー / フェアウィンズ 6月13日

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ロサンゼルスの日本領事との対面の際、ワン氏が当惑したのと同様、エンゲルハート氏は彼が接触した日本政府の関係者の態度の変化に戸惑いました。
「私たちが初めて日本を訪れたとき、これらの関係者は非常に落胆した様子でした。ところが2度目の訪問の際には、彼らは明らかに高揚した様子だったのです。最初の落胆と次の高揚、この対照はあまりにも不自然でした。」

「最初の訪問の際、福島第一原発の3基の原子炉で発生したメルトダウンは、『国の恥』とも言うべき、日本そのものに対する打撃でした。ところが2度目の訪 問の際、実際には事故現場の深刻な状況が隠されるか報道されなかったというだけであったにもかかわらず、福島第一原発の状況は落ち着いているという誤った 認識が、日本全体に広がっていました。」

「恥ずべき状況、それこそは人間が何としても避けたい、あるいはできるだけ小さなものに見せたいと思うものです。」

「しかしこと福島第一原発の事故に関する限り、それこそは最も危険な考え方なのです。」

「福島第一原発の事故程のものになれば、その被害を最小限のものにするためには、考え得る限りあらゆる手段を検討しなければなりません。差し伸べられた援 助の手は、すべて受け入れるという態度が必要です。そうしなければ長期間の人間に対する悪影響を、最少のものに留めることは出来ないのです。」
エンゲルハート氏がこの点を特に強調しました。

ワン氏は福島第一原発の事故による汚染の広がりは、平均的な日本人が考えるよりずっと広い範囲に及んでいると考えています。

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「私が日本を訪問した際、一つ覚えのように繰り返し聞かされた言葉がありました。『これは日本の危機であり、日本人自身の手で解決されなければならないの だ。』というものです。しかし私が実際に見聞きした日本政府の対応は、本当の意味で事故を収束させる取り組みには程遠いものでした。」

「代わりに私が目撃したものは、政府関係者が傷ついた自らの立場を修復するための努力、そして現在の事態が如何に緊急性の高いものであるかという事に対する理解の欠如、それらが本当に必要な対策を実施する妨げになっているという事実だったのです。」

* *          * *          * *

4回の訪日のすべてにおいて、ワン氏とそのチームは、日本の民間企業や民間団体の人々から熱烈な歓迎を受けました。
ワン氏の会社の技術と機材を日本に輸入したいと申し出る日本企業が何社も現れ、彼はこれらの企業が日本政府の頑なな態度を改めさせることになるだろう事を疑いませんでした。

しかし福島第一原発の事故から2年が過ぎ、ワン氏のパワープラス社の機器はただの1台も導入されることは無く、同社が除染の契約を獲得できた場所は1か所もありませんでした。

しかしこの日本政府の冷たい反応は、ワン氏のパワープラス社に限ってのことでは無かったのです。

日本の企業も、アメリカの企業も、除染についての専門的技術・知識を提供できる企業に限って、何十という会社が福島の現場に入ることが出来ませんでした。

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しかし保健物理学者のウェイン・ショフィールド氏はこの結果について、さほど驚きはしませんでした。
ワン氏の会社を上回る規模を持ち、原子力事業や核実験の後始末について数多くの実績を持ち、ショフィールド氏が顧問を務める、アメリカを代表する会社が、 より大規模なデモンストレーションを行い、より多額の経費をかけたにもかかわらず、ほとんど結果らしいものを手に入れることが出来なかったからです。

ショフィールド氏によると、アメリカで除染や放射能測定に関わる企業が得た情報によれば、日本政府による他国では考えられないような。馬鹿げた理由による締め出しが、ほとんどすべての会社に対して行われたのです。

「日本とアメリカでは、土壌そのものが異なります。」
海外企業の専門知識を福島で活用しようとしないことについて、環境省福島除染推進チーム次長(経済産業事務官と併任)の西山英彦氏が語った理由もその一つです。」
「もし県内を多数の外国人が行き来するようになれば、福島の高齢のおじいちゃん、おばあちゃんが皆怯えてしまうでしょう。」

しかし日本国内の専門知識を有する企業も、海外企業と似たような成果しか得ることはできなかったのです。

では除染の契約はどこへ行ったのでしょうか?
契約したのは除染に関する専門知識を持たない代わり、政治的な力を持つ日本の大手建設会社でした。

大手建設会社による福島県内のずさんな除染作業にあきれ果て、福島県のリフォーム会社の社長である志賀正文氏がニューヨークタイムズの取材に対し、こう語りました。
「今、福島で起きていることこそがまさに、日本人にとって不名誉な出来事なのです。」

自然災害も、人間がおこす事故も、打ち寄せる波のように防ぎきることは不可能です。

いつの日か歴史が審判を下す日が来るでしょう。

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福島第一原発の事故は、単に災害として片づけられるものでは無かった。
恥ずべき日本の官僚主義によって、あってはならない対応が繰り返され、事態はさらに悪い方向へと進んで行った。

そして後手に回る対応が繰り返されて現場は機能せず、でたらめの放射線測定値が公表され、国内外の専門知識と専門技術を持つ企業が、除染や事故収束作業から締め出された。

「我々には、いかなる援助の手も必要ありません。」

日本政府はありもしない国のプライドを優先し、市民の命を危険にさらす道を選択したのです。

〈 完 〉

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